知人が海外製品を輸入して日本で販売するというネットビジネスを始めました。
「在庫は抱えない」「サイトで紹介するだけ」という謳い文句に勧誘されて、気が付いたら50万円も出資したようです。
利益が20万円くらいになったそうですが、このまま続けていいのかどうかを相談されました。
個人輸入転売ビジネス
海外製品を安価で輸入して国内で販売するというのは、昔からあるごくごく当たり前のビジネスです。
円高円安の影響はあるかもしれませんが、貿易関連事業は儲けも大きいですし長いスパンで見れば安定もしています。
ネットの普及によって、海外から商品を仕入れてAmazonで販売するというのも当たり前の話になりました。
今回相談を受けた内容で問題視しているのは、普通の主婦が副業で輸入転売ビジネスを始めたという点です。
貿易会社で勤務している私からすれば、個人が輸入輸出関連に手を出すのはリスクの高い自殺行為だと思います。
パっと思いつく理由をあげます。
- 海外で売れた商品が日本で売れるとは限らない
- 現地では安価だが、輸送費や関税で予想よりも卸値が高い
- 上手く船便を調整しないと届くまでに時間がかかり過ぎる
- そもそも海外のバイヤーほど信用できないものはない
会社規模であろうと個人であろうと、このようなリスクは共通のはずです。
海外の商売人は日本人のように甘くありませんし、最悪の場合はお金だけ取られて連絡が付かないなんて日常茶飯事です。
仮に商品を無事に輸入できたとして、今度はそれを日本で販売するという仕事があります。
ネットを使って商品を販売するというのは、メルカリやヤフオク、Amazonや楽天やYahoo!ショッピング出店で容易になりました。
ネット上で販売するだけなら普通の主婦でも可能ですが、それを売りさばけるかどうかは全くの別問題です。
リスクの高い貿易に手を出して、さらにネット販売に手を出すなんて無謀としか言いようがありませんよね?
最近流行っている『個人輸入転売ビジネス』ですが、一昔前の情報商材ビジネスと同じレベルだと思います。
本当の儲かる仕組み
この主婦がどんなフレコミでこのようなビジネスを知ったのか分かりませんが、どう考えても詐欺商材にひっかかった印象しかありません。
- このビジネスを始めるために教材を購入しました
- 登録すると定期的に有料セミナーみたいなものに収集されます
ネットビジネスをやっていれば理解できますが、これらは『個人輸入転売ビジネス』を仕掛けた側の収入源です。
この副業をやっている人は儲かりませんが、これを仕掛けた人達は間違いなく儲かります。
どう考えても情報商材ビジネスの応用ですからね。
素人が手をだしてはいけない
輸入にしても輸出にしても、海外相手の商売は物凄く難しいです。
文化も違えば言葉も違いますからね!
どうせ商売するなら、世界に名高いジャパニーズブランドを売るのが一番だと思いますよ。
どうしても輸入して儲けたいなら、1コンテナくらいの大量買いじゃないと難しいんじゃないかな?
知人にはこのビジネスから手を引くようにアドバイスしましたが、30万円の赤字を諦められるかが心配です。