「iPhone 8」や「iPhone X」が発売されたおかげで、少しだけ注目を浴びるようになった『USB-PD』について調べてみました。
最近やたらと『Type-C』と『USB-PD』がセットで紹介されるので、そこら辺についても説明しようと思います。
USB-PDとは?
正式に読むと、ユニバーサル・シリアル・バス パワーデリバリー(Universal Serial Bus-Power Delivery)となります。
こちらの画像は、一般的に言われているUSBというものです。
厳密に言うとUSB規格のコネクタですが、USBといえば画像のようなものだと思ってて構いません。
そもそもUSBの始まりはデータ通信だけだったのですが、時代の流れによってデータ通信と「電力給電」が行えるようになりました。
USB-PD(以下、「PD」と表記)というのは、電力を給電するための新しい規格と覚えておいてください。
すごく簡単に説明すると、スマホの充電がめちゃくちゃ早くなる技術です。
“iPhone 8” や “iPhone X” にもPDが採用されているとみられ、わずか30分で50%も充電すると言われています。
スマホの充電で比較するために、電力(電圧x電流)という数値でみることができます。
普通の充電では、5W(5Vx1A)くらいの電力です。
あちらこちらで見かけるようになった急速充電は、10W(5Vx2A)と倍くらいの電力ですね。
これがPDになると、”iPhone X” でおそらく15W(9Vx1.4~1.6A)くらいの電力で高速充電されていると思われます。
普通の充電に比べると、3倍くらいの早さで充電されているのがわかりますね。
この比較はスマホのような小電力機器の話で、PDは最大100W(20Vx5A)の電力を送ることが可能になります。
今までのUSB給電における電圧は5Vだけでしたが、PDでは5V、9V、12V、15V、20Vと段階的に可変します。
電流も大幅に上がり、60Wまでは最大3A、60Wよりも大きな電力が必要な場合に最大5Aを出力します。
この電圧と電流の組み合わせによって、最大100Wという給電をおこなうことが可能になったわけです。
Type-CとUSB-PDの違い
最近やたらとType-CとPDがセットで紹介されるため、もしかすると同じものという認識になっている人がいるかもしれません。
前項で説明した通りですが、PDは給電規格のことでありType-Cと言えば一般的に画像ようなコネクタのことを指します。
PDだからType-Cというイメージがあるかもしれませんが、”iPhone 8″ や “iPhone X” の本体側はLightning(ライトニング)コネクタになっています。
お気付きの通り、LightningコネクタであってもPDの給電規格の技術を取り入れることは可能です。
ここまでの流れは理解できましたか?
ここから私自身も混乱するような、複雑な説明をしようと思います。
私が認識しているType-Cというのは、15W(5Vx最大3A)のUSB給電規格であるということです。
ウィキペディアにも記載があって、画像のように「USB Type-C」と「USB Power Delivery」という給電規格があります。
これらを厳密に言うと、以下のようになります。
- Type-Cコネクタの「USB Type-C」という給電規格
- Type-Cコネクタの「USB Power Delivery」という給電規格
Type-Cはコネクタというのが一般的ですが、Type-Cという給電規格があることもネット上にはそこそこあがっています。
色々とごちゃごちゃ書いてしまいましたが、結果的に『Type-C』と『USB-PD』は違うということを覚えておけば大丈夫でしょう(笑)